励ます前に、「大変だったんですね」
誰かが元気をなくしているとき、私たちは「元気になってほしい」と思います。
だからこそ、
「大丈夫だよ」
「そんなに気にしなくていいよ」
「次はうまくいくよ」
と、励ます言葉をかけたくなります。
もちろん、そこには相手を思いやる気持ちがあります。
けれど、落ち込んでいる本人からすると、まだ気持ちの整理ができていないうちに励まされることで、かえって「早く元気にならなくてはいけない」と感じてしまうこともあります。
そんなときは、励ます前に気持ちを受け止めてみるとよいかもしれません。
たとえば、
「昨日、仕事でちょっと失敗してしまって……」
と話す人がいたら、
「それは大変だったんですね」
と、まず返してみます。

これだけで、「自分の気持ちを分かってもらえた」と感じ、少し安心できるかもしれません。
人は、気持ちが落ち着いてくると、少しずつ物事を別の角度から見られるようになります。
問題解決より安心を
「そうだったんですね」
「大変でしたね」
「それはつらかったですね」
こうした言葉は、問題を解決するものではありません。
でも、相手が自分の気持ちを整理するための時間をつくる言葉にはなります。
そして、十分に受け止めてもらったあとなら、こちらからのアドバイスも、より素直に聞けることがあります。
誰かを励ましたいとき、何か良いことを言おうと頑張る必要はないのかもしれません。
まずは、その人の気持ちのそばに座るような気持ちで、
「大変だったんですね」
と声をかけてみる。
会話は説得から始めるより、安心から始めるほうが
やわらかく進むようですね。

2026/09/30

