「何がいちばんしんどかった?」から始まるコミュニケーション

友人や家族から、「最近ついてないんだよね」とこぼされたとき、あなたならどんな言葉をかけますか?
「そんなこともあるよ」
「気にしないほうがいいよ」
「こうすればいいんじゃない?」
そんなふうに、つい励ましたり、アドバイスをしたくなることがあります。
もちろん、相手を思っての言葉ですから、それ自体が悪いわけではありません。
でも、ときには正しい助言よりも先に、「自分の気持ちを分かってほしい」と思っていることがあります。
そんなとき、たとえば、
「何がいちばんしんどかった?」
と聞いてみるのはどうでしょう。
このひと言がきっかけになって、相手は「実はね……」と、起きた出来事だけでなく、そのとき感じていたことや、本当は誰にも言えなかった気持ちを話し始めるかもしれません。

聞くことで近づく心の距離

人は、話を聞いてもらうことで、自分の気持ちを整理できることがあります。
そして、話しているうちに、自分自身で「本当はどうしたかったのか」「何に困っていたのか」に気づくこともあります。
だからこそ、相手が悩んでいるときには、すぐに答えを出してあげようとするのではなく、まずは話を聞いてみる。
「それは大変だったね」
「そう感じたんだね」
「いちばんつらかったのはどんなこと?」
そんなふうに、相手の気持ちに寄り添いながら、ひとつ質問を置いてみるだけでも、会話の雰囲気は変わるものです。
一方で、コミュニケーションは「聞くこと」だけで成り立つものでもありません。
自分の考えや気持ちを伝えることも大切です。
相手の話を聞き、自分のことも伝える。
そのときどきで、どちらか一方に偏りすぎず、「聞くこと」と「伝えること」のバランスを大切にすることが、良い人間関係につながっていくのではないでしょうか。

聞くことと伝えること

会話が上手になることは、たくさん話せるようになることだけではありません。
相手の言葉を急いで判断せず、「もう少し聞いてみよう」と思えること。
そして、自分の気持ちも無理なく伝えられること。
そんな小さな心がけの積み重ねが、お互いを理解するきっかけになるかもしれません。
2026/09/23