「何とかしてあげたい」という気持ち
友人や家族から悩みを打ち明けられたとき、
「それなら、こうすればいいよ」
と、すぐにアドバイスしたくなることはありませんか?
相手が困っている姿を見ると、何とかしてあげたいと思うものです。それは、大切に思っているからこそ生まれる気持ちですよね。
でも、相手が求めているのは、必ずしも解決策とは限りません。まずは自分の気持ちをわかってほしい、ただ話を聞いてほしいと思っていることもあります。
まずは、気持ちを受け止める
たとえば、仕事で嫌なことがあった友人が、「今日は本当に大変だった」と話してくれたとします。
そんなとき、
「そんなこと気にしなければいいよ」
「次からは、こうすればいいんじゃない?」
と返したくなることがあります。
しかし、相手はまだ自分の気持ちを話し終えていないかもしれません。
よかれと思って伝えたアドバイスが、かえって相手との距離をつくってしまうこともあります。
心理学では、相手の気持ちや立場を理解しようとすることを「共感」と呼びます。
共感とは、相手と同じ気持ちになることではありません。自分とは違う感じ方をする相手の気持ちを、理解しようとする姿勢です。
まずは自分の考えを伝える前に、相手がどのように感じているのかに目を向けてみましょう。

「それは大変だったね」
「なにが一番つらかったの?」
そんな言葉で気持ちを受け止めてもらえると、安心して話せるようになることがあります。
話すことで、自分なりの答えが見つかる
誰かに悩みを話しているうちに、自分の気持ちが整理されてきた経験はありませんか?
最初は何に困っているのか、よくわからなかったのに、話すことで「本当はこうしたかったんだ」と気づくことがあります。

「そうだったんだね」
そんな言葉で気持ちを受け止めてもらえると、安心して話せるようになることがあります。
自分の気持ちを言葉にすることは、自己理解にもつながります。
だからこそ、相談されたときに、必ずしも自分が答えを出す必要はありません。相手が自分なりの答えを見つける過程を支えることも、大切な関わり方なのです。
もちろん、相手がアドバイスを求めているときには、自分の考えを伝えることも大切です。
ただ、その前に「今は話を聞いてほしいのかな。それとも、一緒に解決策を考えたいのかな」と、少し意識してみましょう。
「答えを教える」より「一緒に考える」
「あなたは、どうしたいと思っているの?」
「一緒に考えてみましょう」
そんな声かけも、相手を支える方法のひとつです。

コミュニケーションは、自分の考えを伝えることだけではありません。相手の話を聞き、その気持ちを理解しようとすることも大切です。
うまいアドバイスができなくても、心配はいりません。
相手の話に耳を傾け、「そうだったんだね」と受け止める。それだけでも、大きな支えになることがあります。
次に誰かが悩みを話してくれたときは、アドバイスする前に、まず相手の気持ちに耳を傾けてみませんか。


